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9.配線その2(ProMicro部分)【手配線で自作キーボードを作る講座】

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この記事は、【手配線で自作キーボードを作る講座】の第9回目です。 そのほかの記事はこちら↓

okayu-moka.hatenablog.com

3.5mm ミニジャックの固定

配線の前に、3.5mm ミニジャックを筐体に固定しておきます。

グルーガンで固定します。 あまりたくさんつけるとミニジャックの穴の中に入ってしまうので注意してください。

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ProMicroのモゲ対策

ProMicroのMicroUSB端子は耐久性が低いことで有名です。 強い力が加わると、基板から剥がれて壊れてしまうことがあります。(いわゆる "モゲMicro")

モゲ対策のために、ホットボンドで補強をします。 ホットボンドはそこまで接着力が強くはないので、あまりに強い力がかかるとやはり壊れてしまいますが、 何も対策しないよりは断然強度が上がります。

端子の穴にホットボンドが入らないよう、マスキングテープで保護してからホットボンドで補強します。

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完璧に対策したい場合は、エポキシ系接着剤で固定するとよいでしょう。 もしくは、マグネット式のケーブルを使って端子の抜き差しをしないようにするのも有効です。

配線の手順について

配線の手順ですが、2パターン考えられます。

  • ProMicroにケーブルをはんだ付けして、次にスイッチと配線する
  • スイッチに配線して、次にProMicroに配線する

簡単なのはProMicroから先に配線する方法だと思います。

またどちらの手順でも、電線はあらかじめカットしておいたほうが作業しやすいと思います。 最後に無駄な部分はカットするために少し電線が無駄になりますが、作業のしやすさを優先します。

ProMicroへのはんだ付け

ProMicroから配線を伸ばします。

前述のとおり長めにカットした同線の被膜を剥いで 細く捻じってから、 先に電線だけをはんだ付けしておきます。

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ProMicroに差し込んで、はんだ付けします。 作業しやすいようにアームなどで固定すると良いでしょう。

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あまりきれいにできてませんが、とりあえずはんだ付けできました。 この調子で、使用するピンすべてに電線を取り付けていきます。

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最後にはみ出た部分をニッパーで切り落として、はんだ付け完了です。

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キースイッチとProMicroの配線

以前に作成した回路図を見ながら、キースイッチとProMicroを配線していきます。

この時注意が必要なのが、回路図がキーボードを表から見た時の図になっていることです。

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この回路図を実際のキーボード上に重ねると、次のようになります。

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列方向は左から、A2、A1、A0、15、14、16、10となっています。 しかし実際に配線するときは裏面から作業するので、列方向の順番が見た目逆になります。

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このように、左から10、16、14、15、A0、A1、A2となるように配線します。

それでは実際に配線していきます。 電線をケースの隙間に這わせるようにしながら、各キースイッチの行と列にはんだ付けしていきます。

はんだ付けの際は、あらかじめ電線のほうに予備はんだをしておきます。 細かい作業になるので、テープやクリップなどで電線の位置を固定しながら作業するとやり易いでしょう。

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すべての電線を配線し終えたのが次の写真です。

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今回の例ではちょっと電線が長すぎました。 短くて届かない状況よりはマシですが、配線時に必要十分な長さにカットすればよかったです。

ProMicroの固定

配線が終わったら、ProMicroをグルーガンで固定します。

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これで片手分完成です! もう片手分、頑張りましょう。

動作確認

両手分の配線が完了したら、動作確認していきましょう。

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  • フタはちゃんと閉まりますか?
  • すべてのキーが正しく動作するか?

動作しない場合の確認点

  • 電線が干渉してフタが閉まらない
    • スペースを探して電線を這わせましょう。
  • 特定のキーのみ動かない
    • 動かないキーの配線はきちんとできていますか?
    • キースイッチ自体の品質は問題ないですか? テスターなどで確認してみましょう。
      • キースイッチ自体に問題があるなら取り替えましょう。
  • 特定の列/行のキーのみ動かない
    • 動かない列/行のProMicroへの配線はきちんとできていますか?
    • ProMicroのピンと、QMK Firmwareで指定したピンは一致していますか?
  • 右側のキーボードが反応しない
    • 右側のキーボードを直接つないだ時は動作しますか?
      • 右側だけつないだときは、左手用として動作します。
      • 問題なく動くなら、左右の接続が正しくできていないと思われます。
      • 右側単体でも動かないなら、まずは右側のどこに問題があるか調査しましょう。
    • VCC、GND、通信用ピンが正しく配線できていますか?
    • QMK Firmwareで指定した通信用ピンの配線はあっていますか?
    • Micro USBケーブル、オーディオケーブルを変えてみても発生しますか?

問題なく動作したら、あとはもう最後の仕上げだけです!

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