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3.部品集め【手配線で自作キーボードを作る講座】

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この記事は、【手配線で自作キーボードを作る講座】の第3回目です。 そのほかの記事はこちら↓

okayu-moka.hatenablog.com

部品をどこで買うか?

基本的にはすべてネットショップで購入するのがそろえやすいと思います。 東京近郊にお住いの方は秋葉原遊舎工房さんの実店舗がありますので、そちらに足を運んでみるのもよいかと思います。

おすすめの購入元

  • TALP KEYBOARD
    • ProMicro互換機、ダイオード、キースイッチ、キーキャップがそろいます。
    • AliExpressと比べるとさすがに高いですが、発送が早く、国内配送なので安心感があります。
  • 遊舎工房
    • ProMicro互換機、キースイッチ、キーキャップなどがそろいます。
    • 珍しいキースイッチや、アクセサリー類なども充実しています。
  • AliExpress
    • 中国版の楽天みたいな感じです。
    • ダイオード以外をAliExpressで買うと一番安く収まると思います。
    • いろいろなショップ(出品元)があります。ショップによっては発送されない・不良品が届くなどのトラブルが発生する可能性があります。リスクを理解した上で利用してください。
    • KBDfansという出品元はキーボード関連の商品を多く取り扱っているようです。
  • ebay.com
    • アメリカ版の楽天みたいな感じです。
    • こちらにもKBDfansが出品しています。トラブルの時、AliExpressよりはebayのほうが対応しやすいように思うので、こちらで買うのもありだと思います。
  • 秋月電子
    • ダイオード、はんだ付け道具、配線用ケーブルなどが購入できます。
    • 3.5mm 4極ミニジャック 基板取付用 MJ-4PP-9 はここで購入できます。
    • 安く揃えるなら以下がおすすめです。
      • 高速スイッチング・ダイオード 1SS178(100本入)
      • 半田ごて:ニクロムはんだこて KS-30R(30W)
      • 半田:はんだ 0.8mm SD-62
      • こて台:はんだこて台 ST-11
      • ケーブル:スズメッキ線0.6mm、耐熱電子ワイヤー2m×7色
  • Amazon
    • キーキャップ、半田付けの道具などが購入できます。
    • RepRap Prusa i3など、自分で組み立てるタイプの3Dプリンターも比較的安く手に入ります。だいたい20000~30000円くらいです。
  • ホームセンター
    • 銅線、ネジなどが購入できます。
    • ネジなどは10本100円程度で小売りされているので便利です。ネットで買うとどうしても100本単位とかになってしまうので、必要な分だけホームセンターで購入するのが良いでしょう。

必要な部品

ここで紹介するのは3Dプリンターで筐体を作るときに必要な部品です。

ProMicroまたはその互換品×2

  • おすすめのショップ:TALP KEYBOARD、遊舎工房、AliExpress
  • 予算:約1200円(約600円×2)

自作キーボードの多くは、ProMicroの互換品を使用しています。 キーボードとして動かすための定番ファームウェアとして QMK Firmware があり、広く利用されています。 事実上の標準となっているので、特に理由がなければ ProMicro + QMK Firmware を利用するのがよいでしょう。

本講座の作成でも、ProMicro 互換品を用います。左右分離型のため、2つ購入します。 今回はTALP KEYBOARDさんで購入しました。

talpkeyboard.stores.jp

ダイオード(1N4148または1SS178)

  • おすすめのショップ:秋月電子、TALP KEYBOARD
  • 予算:約100円

複数キーの同時押しを可能にするために、ダイオードが必要になります。

入手のしやすさから、1N4148か、1SS178がよく使用されます。

個人的には 1SS178 が安くておすすめです。1N4148の半額で購入できます。 今回は秋月電子さんで 1SS178 の100本入りを購入しました。

akizukidenshi.com

Cherry MXキースイッチ、またはその互換スイッチ

  • おすすめのショップ:TALP KEYBOARD、遊舎工房、AliExpress
  • 予算:約2700円(約45円×60キーの場合)

自作キーボードでは一般的にメカニカルキーボード用のキースイッチが使用されます。

FILCOなどの高級メカニカルキーボードで使用されるCherry社のキースイッチか、その互換スイッチを使用することになります。価格の点から、互換スイッチが採用されることが多いです。

互換スイッチとして有名なのは Gateron と Kailh の2社です。 この2社のスイッチは品質もよく、使用感もCherry社のキースイッチと似ています。 ぜひいろいろなキースイッチを試して、お気に入りのキースイッチを探してみてください。

今回作成するキーボードでは、遊舎工房さんで Kailh BOX スイッチ(赤軸) を購入しました。

yushakobo.jp

軸の色について

Cherry社および互換スイッチにはいくつか種類があり、それぞれキースイッチの軸部分の色が異なっています。 それぞれスイッチを押したときの重さ、クリック感の有無などが異なり、キーボードの使用感に大きく影響します。

たとえばCherry社のキースイッチで有名なのは以下の4種類です。

  • 青軸
    • クリック感が強く、カチカチと大きな音がする。(タクタイルスイッチ)
    • ゲーミングキーボードなどによく採用される。
    • 音がかなり大きいため、使っていて楽しい軸。反面、オフィスなどで使用するのはあまりお勧めできない。
  • 茶軸
    • 軽いクリック感があり、カチっと小さな音がする。(タクタイルスイッチ)
    • 標準的な軸とされており、利用者が多い印象。
  • 赤軸
    • クリック感がなく、一定の重さでキーが沈む。(リニアスイッチ)
    • 青・茶よりも静穏性に優れる。クリック感がない分、茶軸と比べると軽く感じる。
  • 黒軸
    • クリック感がなく、一定の重さでキーが沈む。(リニアスイッチ)
    • 赤軸よりも重い押し心地で、重厚な使用感。底までキーを押し込むには結構力がいる。
    • その重さから最後までキーを押し切らずに使用する、いわゆる「なで打ち」で使用する人が多い印象。

Gateron や Kailh でも、これに準じた互換スイッチが販売されています。 大型のパソコンショップではFILCOのキーボードなどが展示されていることがあり、実際に使用感を確かめることができますので、心当たりがある方は一度試してみることをお勧めします。 そのようなショップが近くにない方は、どのメーカーでもいいので、最初は茶軸か赤軸を選択するのが無難でしょう。 またネットで調べると、クリック時の軸の重さも具体的な数値(45g、50gなど)のデータがありますので、参考にするとよいでしょう。

キーキャップ

  • おすすめのショップ:TALP KEYBOARD、遊舎工房、AliExpress
  • 予算:約3300円(DSA単品売りで、約55円×60キー)

キーキャップにも様々な形、色、素材があり、自作キーボード向けのセットなども多数販売されています。 よく使用されるのは DSA と呼ばれる形状のキーキャップですが、通常のキーボード向けのキーキャップでも大きな問題にはなりません。 ただ、自作キーボードは配列を通常の配列から変更することが多いため、キーキャップの印字と実際のキーが異なる、という状態になりがちです。 そのような状態が気になる場合は、無刻印のキーキャップを選ぶようにしましょう。

今回は TALP KEYBOARD さんでDSAプロファイルのセットを購入しました。 ※もう販売されていないようですが、同じようなセットが売られています。

配線用の銅線

手配線するための銅線が必要です。

おすすめはスズメッキ線と、協和ハーモネット株式会社の耐熱電子ワイヤーです。

スズメッキ線ははんだ付けがしやすく、初心者にもおすすめです。価格が安いのもメリットです。 ただ絶縁の被膜がついてないので、取り回しが少し面倒です。 銅線同士が接触してしまうような箇所には、被膜がついた線を使いましょう。

今回は秋月電子で以下の2つを購入しました。同じような商品がAmazonでも購入できます。

3.5mm ステレオオーディオケーブル

  • おすすめのショップ:Amazon、100円ショップ
  • 予算:約100円(100円ショップ)

分割キーボードの場合は、左右のキーボードを接続するためのケーブルが必要です。 自作キーボードでは、オーディオ用の3.5mmステレオミニケーブルがよく使用されます。

安く済ませたい場合は100円ショップで購入するのがおすすめです。 Amazonなどのネットショップでは、いろいろな見た面のケーブルが売っていますので、それらを購入するのも良いでしょう。

あまり長すぎると逆に使いにくいので、30cm~100cmくらいのものを選びましょう。例えばこのケーブルは60cmなので、ちょうどよさそうです。

Amazonベーシック ステレオミニプラグ オーディオケーブル 0.6m

Amazonベーシック ステレオミニプラグ オーディオケーブル 0.6m

今回の講座では、ほかのキーボードで使っているものを使いまわすので、新しく購入はしませんでした。

3.5mm ミニジャック

オーディオケーブルを接続するためのジャックが必要です。 こちらは秋月電子などの電子部品専門店などで入手できます。

ジャックには、基盤取付タイプのものと、パネル取付タイプのものがあります。 手配線(空中配線)の場合、どちらの種類でも使用できますので、安いほうを選んだのでよいでしょう。

おすすめは以下の商品です。

今回は、以前に秋月電子で購入した以下の部品を使用することにしました。 ※ほかの自作キーボード用に買ったので4極ですが、実際には3極(ステレオ用)のもので大丈夫です。

ネジ(筐体のフタ固定用、ProMicro固定用)

  • おすすめショップ:ホームセンター、Amazon
  • 予算:約200円(ホームセンター)

キーボードの筐体(ケース)の本体とフタを固定するためのネジが必要です。 M4くらいになると太すぎるため、M2かM3あたりを購入しましょう。

この段階ではまだ筐体の3Dモデルがなく、ネジ穴のサイズや長さも決まっていないため、モデリングが完了したタイミングで購入するのがおすすめです。

今回はM3x8のネジを使用することにします。

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