この記事は、【手配線で自作キーボードを作る講座】の第5回目です。 そのほかの記事はこちら↓
3Dプリンターでプリントする
個人で所有できるような小型の3Dプリンターでも、自作キーボードの筐体程度であれば十分プリント可能です。
左右分割型の場合は片手分ずつプリントすれば良いでしょう。 一体型で3Dモデルが大きい場合、まずはモデルをある程度分割してプリントし、後から接着剤などで接着することになるでしょう。
3Dプリンターには FDM(熱溶解積層方式)や SLA(光造形方式)などの種類がありますが、一般的に安く手に入るのは FDM のプリンターでしょう。 FDMの3Dプリンターはコストパフォーマンスに優れ、造形物の強度も十分なので、自作キーボードの筐体にはもってこいです。
ただ、 FDM でプリントアウトした造形物には積層痕が残り、あまり滑らかな出力結果になりません。 筐体のような大きな造形物では問題になりませんが、キーキャップなど、細かさや滑らかさが重要な部品には、SLA のプリンターのほうが適しています。
プリントのコツ
フィラメントは、PLAフィラメントを選択するのが無難です。 キーボードのように平たい造形物の場合、ABSでは"反り"が大きすぎてきれいにプリントできません。 PLAの造形物は加工が大変ですが、ヤスリで削る程度であれば何とかなります。
Infill(内部埋め)は30%~50%くらいがおすすめです。 あまり内部を埋めすぎると、反りがひどくなったりするので注意が必要です。
プリント時の設定は、3Dプリンターの機種やスライサーソフトによっても大きく変わってきます。 あくまでも参考程度にしてください。
プラットフォーム(ベッド、ステージ)への接着が弱い場合は、個人的にはマスキングテープを張るのがおすすめです。 もちろん専用のプラットフォームシートや、定番の強化ガラス+ケープなどでもOKです。 マスキングテープは3Mの幅広のものを購入するとよいでしょう。
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プラットフォームから造形物が剥がしづらいときは、ニトムズのテープはがしカッターがおすすめです。 スクレーパーなどよりも断然剥がしやすいです。
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3Dプリンターでのプリントは結構慣れと経験が必要なので、試行錯誤を繰り返して頑張ってください。
3Dプリントサービスで発注する場合
価格の安さを求めるならナイロン素材、強度や実用性を高めるならMJF素材での出力になると思います。
3Dプリントサービスで発注する場合、避けたいのは 「発注後に設計ミスが見つかる」 パターンです。 これを避けるためには、3DCAD上で十分チェックするという手もありますが、 おすすめしたいのは個人所有の3Dプリンターでプロトタイプをプリントして確認するという手段です。 きちんとキースイッチがはまるか? 思った通りの形状か? など、実際にプリントしてみないと確認できないことは多々あります。 最終的に3Dプリントサービスに発注する場合でも、安い素材や個人の3Dプリンターでプロトタイピングすることをおすすめします。
実際のプリント結果
今回は緑色のPLAフィラメントでプリントしました。
フィラメントはこれ↓です。
前述のとおり、3Dプリンターでのプリントは結構慣れと経験が必要です。 自分の3Dプリンターにあった設定を探して試行錯誤してみてください。
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