きっかけ
自作キーボードを作るにあたって、3Dプリンターで筐体を作ることにしました。
3D CADを勉強して、fusion 360で筐体をデザインしました。
いけるかな? と思えるものができたタイミングで、
とりあえず一部分だけをDMM.make に発注しました。
出来上がったのが下の写真で、価格はおおよそ¥2,700。材質はナイロンです。
精度も高く、モノはよかったのですが、ちょっと不満点もありました。
- 手元に届くまでそれなりに時間がかかる。今回だと2週間くらいかかりました。
- 思ったよりは高い。今回作りたいものをすべて発注すると、¥9,000くらいになる見積り。
そんなこんなで、「とりあえず作ってみて、間違ってたら修正しよう!」みたいな使い方はしづらい印象です。
3D CADも初心者なので、ちゃんとしたものが設計できてるかわかりません。
使えるかどうかわからないモノを発注するのはなかなか勇気が必要でした。
お金が潤沢にある企業や現場で使うならまだしも、
個人でトライアンドエラーするのであれば、安価な3Dプリンターを買うほうがよさそうだと思い、
えいやっ! と買うことにしました。
機種選び
3Dプリンター、安い機種だと¥30,000以下で買えちゃいます。ただし完成品ではなく、組み立てキットです。
世の中には RepRap プロジェクトというものがあり、
そこでオープンソースで開発された3Dプリンターがあります。
ハードの仕様からプログラムまですべて公開されているので、
安い中華キットがAliExpressやAmazonにあふれています。
今回はRepRap Prusa i3という機種のキットを狙うことにしました。
RepRapのキットを選ぶメリットとしては、
- 安い
- 3Dプリンターの仕組みがわかる
- 改造が容易
- 汎用のフィラメントが使える
といった点が挙げられます。逆にメーカーの完成品を買うメリットは、
- サポートが受けられる
- 最初から印刷精度が高い
- 動かない! ということが少ない?
といった点かなーと思います。
実際に買ったもの
HICTOP RepRap Prusa i3 3dp-08bk を買いました。
RepRapはオープンソースなので、色々なメーカーから似たり寄ったりの商品が発売されています。
今回は以下のような理由で、HICTOPを選びました。
買ってから気づいた良かった点もあります。
- 電源電圧が24V。エクストルーダやホットベッドが温まるのが早い。
- 本体上にフィラメントを置ける。意外とこの位置がベストっぽい。
- 割れやすそうな部品があんまりない。(アクリルパネルは割れますが)
- Amazonでサポートにメールしたら普通に1日以内に返ってくる。
総じて良い選択だったと思っています。
改造という点だけで見ると、HICTOPのものよりもAnetのA6やA8という機種のほうが情報が多いですが、
基本的には応用が利くので、いい選択だったと思います。
ただ電源電圧が24Vなので、電子部品に手を入れる場合はちょっと気を使わないといけないですね……
キットにプラスして買ったもの
キットには最低限のものしか含まれていないので、追加で買ったもの・買ったほうがいいものもあります。
これから買おうという方は同時に買っておくと手間が省けて吉です。
フィラメント
とりあえずPLAのフィラメントを1kg買いました。
キットに入っていたお試し用のフィラメントでもそれなりに遊べましたが、
いずれは無くなるので、買っておいたほうがいいと思います。
M3のワッシャ(100枚くらい)
キットにはビスは入ってるんですが、ワッシャが入ってません。
無くても組み立てられますが、アクリル部品が割れたりしそうなので、
自分は買いました。
結構量が必要でした。たぶん80~100枚くらいはあったほうがいいです。
KURE5-56ならどの家庭にもあると思うので、それでいいと思います。
ドライバー、ニッパー、六角レンチ
必要な工具はキットに入っていましたが、できれば六角レンチとラジペンは用意したほうがいいと思います。
はんだ付けの道具
自分のキットでは、マイクロスイッチとコードのはんだ付けが甘く、
組み立て中にポロっと取れてしまいました。
安いはんだ付けセットがあれば、直せるレベルでした。
購入から組み立てまで
Amazonの倉庫に在庫があるため、買った翌々日に到着。Amazonプライム最高。
開封したところ。
いきなり壊れてるパーツを発見。中華感があっていいですね。瞬間接着剤で直しました。
途中、ワッシャが足りなくて買い足したり、組み方を間違えてばらしたりしましたが、
大体8時間くらいで組みあがりました。
お試し印刷
キットに入っていた3Dに、印刷用のプログラム(スライサーソフト。CURA)とか、
テストプリント用データなどが入っていました。
キットに入っていたフィラメントで、エクストルーダ210℃、ホットベッド50℃、
積層0.3mm、印刷速度30mm/sで印刷してみたところ、きれいに印刷できました。
下の写真は実用もかねて作った、はんだ付けするときにケーブルを摘まんでおくやつです。
結構いい感じに印刷できてます!
組み立て後の改造
ネットで検索すると、3Dプリンターを改良するためのパーツのデータがいっぱい出てきます。
自分で自分を改良できるなんて、夢が広がりますね。
改良については別記事にて書きますが、とりあえずX軸/Y軸のテンショナーは作ったほうがよさそうです。
感想
3Dプリンター、とても面白いです。
本来の目的である自作キーボードをほったらかしでいろいろ印刷してしまうくらいには、ハマっています。
もう少しお金をだせばメーカー品も買えますが、キットにして正解だったなーと思います。
苦労はありましたが、3Dプリンタの仕組みが勉強できたのと、やっぱり改造できるのが楽しいです。
もっと3D CADも勉強して、色々な工作に使っていきます!